ベストグループ見聞会御講話集「21世紀を幸せに生きる」
衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第12巻より
2020年(令和2年)8月8日 ベストグループ中国・四国一日研修 ①
皆様、おはようございます。私が二歳半の時、生みの母が私を置いて家を出て、新しい母が嫁いできました。育ての母は私に、命の存在について教えてくれました。
「晃弘、命があるから生きているんやで」、「お母ちゃん、命って何や?」、「命は、胸のこの辺にあるんやで。『一寸の虫にも五分の魂』と言って、命の大きさは一・五センチやで。形は丸いで」、「へー。お母ちゃん、色は?」、「白い光を放射しているんやで」と、具体的に教えてくれました。
昔の人は、このように言うのです。「お母ちゃん、命って見えるんか?」、「見えるで」、「どうしたら見えるんか?」、「心が浄(きれ)いになったら見えるんやで」。母は心が浄いだったのです。
さらに「晃弘、覚えておきなさい。『真理を知らずして人にあらず』という言葉があるんや。人間は真理を知るために生まれたんやで」と教えてくれました。
私は昭和十九年生まれですが、当時は子供に、命について教えた母親が多かったのです。そして「真理を知らずして人にあらず。人間は真理を知るために生まれた」と子供に教えた親が多かったのです。
今の親は、子供にそのような教えをするでしょうか。少ないと思います。今の親は、子供に「お金が大事」と言う方が多いように思います。「お金が大事」と言うならば、どうしてお金持ちにならないのですか。
私は貧しい家庭で育ちましたが、「お金が大事」とは一度も教えられませんでした。私は中学校を卒業するまでに、夜逃げを四十回以上経験して、小学校、中学校の授業料も払えないくらい、貧しい家庭で育ったのです。
私が中学三年生の時には、父は働かなくなりました。ですから、私が高校一年生の時には、私と腹違いの弟二人の三人で、新聞配達と牛乳配達をして、六人家族が成り立っていたのです。それくらい、とても貧しい家庭だったのです。
そのような環境の中でも、私の心が浄いだったとしたら、命の存在を信じ切っていたからです。育ての母は「晃弘、ボロは着てても心は錦や。『お金、お金』という人と付き合ったらいかんで。『お金、お金』という人と付き合ったら、お尻の毛まで抜かれるで」と言っていました。
つまり、母は「保証人になったら全部無くなるで」ということを言いたかったのです。しかし、私が三十一歳の時、その意味を知らずに、今のお金で三億円くらいの保証人になったことがあります。私が独立した時にお世話になった方だったので、助けてあげたいと思ったからです。
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